時代の荒波を、
揺るがぬ信頼で超えていく
戦後の混乱期から始まり、バブル崩壊、
リーマンショック、
そして世界的パンデミック—。
幾多の危機を乗り越えながら、
横浜の地で80年近く歩み続けてきた
「横浜ウィークリーマンション」。
横浜駅から徒歩20分圏内に立ち並ぶ
全650室以上の建物には、
都会の喧騒を忘れさせる落ち着いた空間が
広がっています。
部屋に一歩足を踏み入れると、
ホテルさながらの洗練された内装と、
家具・家電が充実した使い勝手のよい住まい。
館内に設けられたフィットネス設備では、
長期滞在者の方々がリフレッシュして、
明日への活力を養う姿も見られます。
キッチンでは、馴染み深い料理を作り、
自分だけの空間で、
日々の疲れを癒す滞在者たちが。
まさに、ビジネスマンにとっておなじみの
「第二の我が家」として親しまれる存在といえます。
しかし、この不動の地位を築くまでの道のりは、
決して平坦ではありませんでした。
横浜の顔としてあり続けるこの企業に
立ちはだかった、知られざる秘話とは…
プロローグ

「横浜ウィークリーマンション」は一部屋二部屋から試験的に始めた事業でした。
当時、ウィークリーマンション自体が横浜の町にはほぼ存在せず、
全国的に注目を浴び始めた程度だったからです。
「好調なら、もう一部屋増やしてみよう」
慎重に様子を見ながら始めた挑戦は、次第に利用者の心をつかみ、
成功の兆しを見せ始めます。
全ての部屋をウィークリーマンションへと転換するほどの手応えを感じました。
その後、先代の思いを引き継ぎ社長に就任した関氏はこのように語ります。
「お客様を家族のように親身になって考えています。機械的な対応ではなく、
今この瞬間に何を求めているのかを常に察し、寄り添うことは常に外せません」
この思いと共に歩み続ける事業は、
やがて横浜の定番となりビジネスマンの日常を支える、
なくてはならない存在となりました。
これは横浜の街と共に時代の荒波を乗り越え、揺るぎない信頼を築いた関氏の物語です。

「御社じゃないとダメなんです」
国境を超えたおもてなしの心
「フロント業務を長く経験したからこそ、一流のサービスを提供したいという強い思いがありました」
30代前半という若さで突然社長に就任した当時。
関氏は、周囲への対応に戸惑いながらも、ホスピタリティの信念だけは決して揺らがなかったと言います。
信念から生まれる安心感の提供は、並外れたものでした。
「電球が1個切れても、その日のうちに対応する体制が整っています」と胸を張る関氏。
「外国の方は食文化が違うので、自分で調理するためのキッチンが必要です。
当社は全室にキッチンがあるので『御社じゃないとダメなんです』という声が絶ちません」
宿泊者は、近隣のスーパーで買い物を済ませると、懐かしい故郷の味を求めて料理を始めます。
キッチンから漂うハーブやスパイスなどの香りは、異国の地での孤独を和らげてくれるのです。
当時は東京オリンピックの影響で、日本全体が活気づき、世界との繋がりが一層深まる希望の時代でした。
しかし、見えない危機は徐々に世界に忍び寄り、やがて時代を一変させることになります。
世界が止まる中、
支えたのは長年の絆だった。
2020年、世界を襲った新型コロナウイルスの猛威は、
容赦なく降りかかりました。
観光業や宿泊業が壊滅的な打撃を受ける中、
横浜ウィークリーマンションも
存続の危機に直面したのです。
「ご入居率が0に近い状況になってしまいました」
かつて世界中のビジネスパーソンが
行き交っていたロビーは、
想像を絶するほどの閑散に包まれていました。
多くの人が汗を流していたフィットネス施設も
静まり返り、迫りくる焦燥感が
未来への不安を増幅させます。
しかし、この未曽有の危機を
乗り越えるための力となったのは、
長年にわたって築いてきた顧客との
規格外の絆でした。
「当社はリピーターが最高で
80%以上だったときもあり、
その絆がコロナ禍でも
乗り越えられた理由だと思います。
中には10年以上利用してくださっている方も居ます」
と明るい表情で関氏は語ります。
家族のように親身になるという
ホスピタリティの精神を貫いた日々の地道な努力が、
いざという時の支えとなったのです。
空室が目立つようになったマンションでも、
長期滞在者の部屋からは、
変わらず生活の明かりが灯っていました。
まるで、暗いトンネルの先を照らす希望のように。
横浜とともに、
新しい時代を再び歩む

コロナの嵐が収まりを見せる中、横浜ウィークリーマンションは前を向いて歩み始めています。
横浜も当時の活気を取り戻しました。
みなとみらいには新たにKアリーナやぴあアリーナ、
Zepp横浜が同時期にオープンしました。
関内地区の再開発もあいまって、一段と魅力を纏った街へと成長し、
訪れる人の目を奪うでしょう。
みなとみらいが埋立地から国際ビジネス拠点へと
変貌を遂げるまでの全てを、
横浜ウィークリーマンションは間近で見てきました。
約80年を超える創業以来培ってきた横浜の人脈と知識を活かし、
今後も繁華街の一部として輝き続けます。
時代の変化に合わせ、オンライン予約サイトの強化、
スマートテレビの導入など、
ビジネス顧客の新たなニーズに応える取り組みも積極的に進めています。
世の中に合わせてサービス対応することだけが、
私たちの仕事ではありません。
関氏は、「おもてなしの心」を大切に、
これからも横浜の発展とともに、
100年企業を目指して着実に歩みを進めています。
皆様の「第二の我が家」として、
いつでも温かくお迎えする準備をしながら。
